治験バイトの休薬期間とは?期間中に案件を受けられない理由

普段の生活に一定の制限がかかることを除けば、特に何もせずに高額の負担軽減費を手に入れることができる治験バイト。
高収入を得られることから、中には何度も参加して稼ぎたいと考える人もいるでしょう。

しかし、治験バイトは基本的に休薬期間をおくことが必要です。
連続して治験に参加した場合、休薬期間の虚偽申告は健康被害を生じるリスクを増大させるだけではなく、治験そのものの信頼性を損なうことにもなりかねません。

今回は、治験バイトにおける休薬期間の必要性や不正を行った場合のリスクについて紹介します。当記事を参考にしながら、ルールを守って治験バイトに参加しましょう。

1.治験バイトにおける休薬期間とは?

治験バイトを行う際には、応募条件として年齢やBMI、健康状態の有無などの項目が挙げられます。
また、注意事項には、前回の治験に参加してから一定の休薬期間が経過していることが記載されているため、次の治験に参加する場合は、休薬期間がきちんと経過しているかどうかを確認しておくことが必要です。

1-1.平均的な休薬期間は「4ヶ月」

治験における平均的な休薬期間は、約4ヶ月です。
治験の内容によっては、1~3ヶ月の休薬期間を空ければ参加可能なケースもありますが、前回の治験によって投与された薬を体内から完全に排出するため、休薬期間中は新たな薬を投与してはなりません。

体内に薬が残ったまま次の治験に参加した場合、健康被害に遭うリスクが高くなります。治験の参加者は普段から健康に気を付けるだけでなく、適切な休薬期間を取り、次の治験に影響がない状態にしておきましょう。

また、治験の実施データは臨床試験受託事業協会という組織で一括して管理を行っているため、休薬期間を偽ることもできません。
健康食品や化粧品のモニター試験のように、薬と関係がない製品を対象とする場合でも休薬期間を必要とするケースがあるため、休薬期間の日数を計算しておくことが必要です。
治験バイトの応募をする際には条件をよく確認し、最後に治験へ参加した日から4ヶ月経過しているかどうか、事前に経過日数を計算しておくことをおすすめします。

休薬期間の確認における各機関の相関図

上記は、臨床試験受託事業協会の休薬期間における各機関の相関図です。

臨床試験受託事業協会とは、治験に参加する被験者の安全確保や、臨床試験の質の向上を目的として設立された組織です。治験を実施している医療機関の多くは、臨床試験受託事業協会へ加盟しています。

また、臨床試験受託事業協会では、被験者の健康維持や安全管理を目的とした「被験者照合システム」を構築しており、被験者照合システムは、協会の加盟病院で実施された治験の情報を取得し、一元管理しています。

治験の情報を管理するために被験者照合システムを運用している部門は、臨床試験受託事業協会に設置された照合センターといい、被験者照合システムを使用して被験者の登録情報に重複がないかどうかを確認しています。

加盟病院が照合センターへ照会を行うことによって、被験者の試験参加履歴を確認することが可能なため、被験者の休薬期間を試験ごとの参加者情報を加盟病院同士で確認し合う必要はありません。

2.同時に複数の治験を受けることができない理由

同時に複数の治験を受けることができない理由

治験の目的は、新薬の有効性や副作用を確認することです。
同時に複数の治験を受けると、体内に残った薬と新たに投与される薬が影響を及ぼし合い、予期せぬ症状を引き起こしかねません。別の薬が体内に残っている状態で治験を行えば、新薬そのもののデータを収集するのが難しくなってしまいます。

ここからは、重複して治験を受けることができない理由を具体的に見ていきましょう。

2-1.健康を損なう可能性があるため

薬の投与における注意点のひとつは、薬の飲み合わせです。
既に広く使用されている薬でも、複数の薬を同時に投与した結果、薬の効果が強くなったり逆に弱くなったりすることがあります。
飲み合わせによっては体に悪影響を与えることもあるため、治験の休薬期間に複数の薬を投与することはおすすめしません。

治験の場合も同様で、体内に残っている薬と新たに投与される薬との組み合わせが悪かった場合、重篤な健康被害を及ぼす可能性もあります。
健康への悪影響を防ぎ生命を保護するためにも、休薬期間を遵守することが重要です。

実施機関では、治験における万が一の状況を想定し、医師や看護師をはじめとした医療スタッフによる万全の体制を構築していますが、健康状態を損なうリスクを回避するためには、被験者が休薬期間を守ることが大切です。

2-2.副作用の原因特定が難しいため

治験の実施中に副作用と思われる症状が起きた場合、前回の治験で投与された薬が残っている状態では、副作用を引き起こした原因を特定することが難しくなります。

治験の実施中に生じた副作用の原因を特定するためには、体内に残っている薬によるものなのか、または新たに投与された薬のせいなのかなど、それぞれの条件ごとに調べなければなりません。
そのため、副作用の原因を特定するまでに時間がかかり、適切な処置を取ることが難しくなるというリスクを抱えることとなります。

2-3.データ収集の正確性を損なうため

新薬の効果や副作用は、治験を実施するまでに行ってきた基礎研究や動物実験によって、副作用の原因を予測することができます
しかし、体内に別の薬が残っている状態で参加者へ新薬を投与した場合、予期せぬ健康被害が発生するだけでなく、本来出るはずのないデータが生じます。そのため、新薬の効果や副作用に関するデータを正確に収集することが困難となる可能性も少なくはありません。

治験の実施は、ヒトへの影響が極力出ることのないよう、厚生労働省が定めた厳格なルールに則って行われるため、想定外のデータが生じることは治験の実施計画の信頼性を損なうことにもつながります。
新薬の認可が遅れることにもなるため、治験の目的をきちんと把握して治験に参加することが大切です。

3.休薬期間中の治験を防ぐための「取り組み」について

治験の実施機関や治験データを管理する機関が連携することによって、被験者が休薬期間中に治験へ参加することを防止しています。

健康上のリスクや治験の正確性を保つためにも、休薬期間中の治験における裏技を謳うような方法を取ってはなりません。

最後に、休薬期間中に複数の治験を行った場合について解説します。

3-1.もし休薬期間中に複数の治験を行った場合はどうなる?

治験を行った後で被験者が休薬期間中であったことが判明した場合、治験が提示する本来の応募条件を満たしていないまま参加しているため、本来もらえるはずの協力費が減額されることがあります。

もし休薬期間中に複数の治験を行った場合はどうなる?

治験の実施機関からすると、重複して治験に参加する被験者を今後も採用することは、正確なデータの収集を損ねるリスクを負うことになりかねません。
そのため、治験バイトの被験者募集に関する情報提供が打ち切られるだけではなく、被験者としての登録を解除され、今後、治験への参加ができなくなるなる場合もあるため、休薬期間は遵守しましょう。

また、休薬期間中に治験へ参加したことによって予期せぬデータが生じた場合、製薬会社や医療機関が治験の実施計画を見直さなくてはならないこともあります。
余計な作業が発生するだけではなく、新薬の開発が遅れることによる経済的損失も膨大な額となり、損失に対して参加者へ損害賠償を請求される可能性も少なくはありません。

まとめ

治験バイトにおける休薬期間中に、新たな治験バイトへ参加して副作用の症状が出た場合、副作用の原因特定が遅れ、参加者のリスクを増大させます。そのため、健康被害を防ぐだけではなく、治験そのものを正確に実施するためにも、治験バイトの休薬期間を遵守することが必要です。

治験は安全性に最大限の注意を払って実施されるため、応募条件に沿って正しく治験に参加することで、危険性は軽減されます。しかし、休薬期間を無視することで、治験を実施する機関も予想できないイレギュラーな要因を持ち込むこととなり、治験のあらゆるリスクを高めてしまいます。

さまざまな人や組織が協力して実施する治験バイトを行う際には、お金だけにとらわれて関係者の希望を無下にすることのないよう、治験ボランティアの参加者であることを自覚して、休薬期間をしっかりと守るようにしましょう。

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