物忘れが気になるあなたへ|認知症治験の検査内容・参加の流れ
「最近、人の名前が思い出せない…」「同じことを何度も聞いてしまう…」 もしかして認知症かも?と、不安に思っていませんか?
認知症の臨床試験(治験)では、どんな検査をするのか、参加するにはどうすればいいのかを、わかりやすく解説します。
「物忘れ」と「認知症」はどう違う?まずは正しく理解しよう
認知症とは、脳の細胞が変化することで、記憶や判断力などの認知機能が低下し、日常生活や社会生活に支障をきたす状態を指します.
「年を取ると誰でも物忘れをする」と思っていませんか? 加齢による物忘れと認知症には、明確な違いがあります.
体験の一部を忘れるのが加齢による物忘れで、体験全体を忘れてしまうのが認知症の特徴です. 例えば、「朝食に何を食べたか忘れる」のは加齢による物忘れ、「朝食を食べたこと自体を忘れる」のは認知症の可能性があります.
認知症の診断は、単に物忘れがあるかどうかだけでなく、以下の認知機能が低下し、日常生活に影響が出ているかどうかで判断されます. DSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル第5版)では、認知症の診断基準として、複数の認知領域における認知機能の低下が、日常生活における自立を阻害していることが挙げられています.
- 記憶障害
- 失語(言葉が出てこない)
- 失行(慣れた動作ができない)
- 失認(物が認識できない)
- 実行機能障害(計画を立てられない)
軽度認知障害(MCI)とは?

認知症の一歩手前として近年注目されているのが、軽度認知障害(MCI)です. MCIは、認知機能が正常な状態よりも低下しているものの、認知症と診断されるほどではない状態を指します. MCIは健常者と認知症の中間的な状態であり、認知機能の低下がみられるものの、日常生活には支障がない程度とされています.
MCIの段階で適切な診断と介入を行うことで、認知症への進行を遅らせたり、改善させたりできる可能性があります.
MCIのリスク評価には、血液検査が有効です。 「MCIスクリーニング検査プラス」では、アミロイドβの排出などに関わる複数のタンパク質を測定し、将来の発症リスクを算出します.
この検査では、以下の機能が評価されます.
- 栄養系タンパク質(脳の栄養状態と保護)
- 脂質系タンパク質(脂質代謝と排出)
- 炎症・免疫系タンパク質(炎症反応の制御)
- 凝固線溶系タンパク質(血管の健康維持)
認知症の治験ってどんな検査をするの?検査内容を詳しく解説

認知症の治験では、薬の効果を客観的に評価するために、さまざまな認知機能検査が行われます. これらの検査は、治験への参加を判断するスクリーニングと、治験薬の効果を測るアウトカム評価の両方で使用されます。
スクリーニングでよく使われる検査
- MMSE(Mini-Mental State Examination):
見当識、記憶力、計算力などを測る世界標準の検査です. 30点満点で、23点以下だと認知症の疑いがあります.
- MoCA-J(Montreal Cognitive Assessment Japanese version):
MMSEよりも軽度な認知機能の低下を検出することに特化した検査です. 26点以下でMCIの疑いがあります.
治験薬の効果を測る検査
- ADAS-cog(Alzheimer’s Disease Assessment Scale-cognitive subscale):
アルツハイマー病に特有の症状の変化を捉えるために設計された検査です。 記憶、見当識、言語能力、図形模写などを評価します.
これらの検査に加えて、脳の状態を詳しく調べるために、画像診断やバイオマーカー検査が行われることがあります.
- MRI/CT:脳の萎縮や脳梗塞の有無を確認します.
- SPECT:脳の血流を測定し、認知機能が低下している部位を特定します.
- アミロイドPET検査:脳にアミロイドβが蓄積しているかどうかを画像化します.
- 脳脊髄液検査:脳脊髄液を採取し、アミロイドβやタウタンパク質の濃度を測定します.
脳脊髄液検査では、腰に針を刺して髄液を採取するため、腰椎穿刺後頭痛が起こる可能性があります.
認知症治験に参加するには?具体的なプロセスと注意点
認知症の治験に参加するには、いくつかのステップを踏む必要があります.
- 主治医に相談する または 治験ネットなどの治験情報サイトで検索する
- 治験実施施設でスクリーニングを受ける
医療機関や情報サイトから連絡があり、対面での認知機能検査や画像検査などを受けます. 検査の結果、治験の参加基準を満たしていれば、治験に参加できます。
- インフォームド・コンセントを受ける
治験の内容やリスクについて医師から説明を受け、参加に同意するかどうかを判断します。 認知症の治験では、本人の意思確認だけでなく、家族などの代諾者の同意も必要となる場合があります.
治験に参加する際は、本人の状態をよく知る家族や知人である治験パートナーの協力が不可欠です.
認知症治験のメリット・デメリット
認知症の治験に参加することで、以下のようなメリットが得られます.
- 最先端の診断を無償で受けられる
- 専門医による詳細なモニタリングを受けられる
- 次世代の治療法開発に貢献できる
一方、以下のようなデメリットも考えられます。
- 副作用のリスクがある
- 検査による身体的な負担がある
- 生活に制限が加わる場合がある
治験に参加すると、負担を軽減するための費用(協力費)が支払われます。 金額は、拘束時間や検査内容によって異なります。
治験に参加する際は、信頼できる情報サイトを選び、内容をよく理解することが大切です。 個人情報保護の認証を取得しているか、公的機関の情報を参考にしているかなどを確認しましょう。
最後に
認知症の治験は、ご自身の健康状態を把握する機会となり、未来の医療に貢献できる可能性を秘めています. まずは専門医に相談し、適切な情報を収集することから始めましょう。
この記事が、治験への理解を深め、参加を検討する上で役立つ情報となれば幸いです。
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参考・出典
- 医療従事者の方へ – MCIスクリーニング検査プラス(MCIスクリーニング検査プラスに関する情報) https://mci-plus.com/for_medical/
- 太陽生命(「加齢による物忘れ」と「認知症による物忘れ」の違い) https://www.taiyo-seimei.co.jp/net_lineup/colum/ninchi/002.html
